年上同期の独占愛~ずっと側に
「はい。あまりおしゃべりではないんですけど、私が退屈しない程度にいつも話しかけてくれるし、話題も豊富なんです。」

だから、つい来ちゃうんですよね、居心地よくて、と言うと、分かる気がする。と橋本さんも頷いている。

「ほとんど一人?」

「そうですね。一人ですね。」

「今日の夜、ここ来ようよ。一緒じゃ嫌だ?」

「そんなことないですけど、ここでいいですか?何か食べてからのほうがいいですかね。」

「俺さ20時ころになっちゃいそうなんだ。ここで待ち合わせでもいい?」

「もちろんです。じゃあ、私も20時目安に来ますね」

食べ終わると、マスターにもう一度とても美味しかったとお礼を言い、また今夜来るかも、と言ってお店をでる。

「今日のヒアリング内容は俺がまとめるよ。野崎さん、他もあるでしょ?」

「ありがとうございます。今日の分も議事録いただければ、方向性の叩きは私が作りますよ。」

「うん、了解。また相談するよ。」

会社につき、この一週間でヒアリングした内容を来週にはまとめないと、会議に付議できない。今週の土日はお休みできたとしても、来週からしばらく休日出勤になるかもしれないな、と少し憂鬱になった。

結局、午後は急遽打ち合わせに呼ばれたり、何だかんだと仕事が進まず、結局19時過ぎまでかかってしまった。約束の時間まで一時間・・・本屋で時間を潰すか、カフェによって軽く何か食べるか・・・結局あまりお腹が空いていないのもあり、本屋さんで時間を潰した。

20時少し前、約束したBarに入り、マスターに声をかけると、奥のカウンターの2席を差し案内してくれた。昼間に夜来るね、と声をかけたため、reserveの札を置いておいてくれたらしい。

マスターお礼を言い、席に着くと、いくつかのフルーツを紅茶で割ったカクテルを出してくれた。

「ほんのちょっとしかアルコール入ってないから、橋本さんが来るまで酔ったりはしないと思うけど。」

たけど、萌々ちゃんは想像以上の弱さだからなあ、ゆっくり飲んで、と色気のある微笑みで言われる。確かに調子のいい時は2杯飲めるが、一口でもう無理っていうときもある。
最初はマスターを初め、他の店員さんも、うそでしょ?こんな弱さでBarとか来ちゃうわけ??って顔で見られたけど、今はもう皆慣れてくれた。

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