年上同期の独占愛~ずっと側に

翌日の月曜日、いつも憂鬱な駅の混雑となかなか乗れないエレベータに何故かホッとしてしまう。亮と私の関係は変わってしまうかもしれないのに、この日常は変わらずあるんだな、と妙に安心してしまったのだ。

仕事は始まる。亮のことと仕事は別だ。このプロジェクトは始まったばかりだ。立ち上げをしっかりやらないことには話にならない。迷惑をかけるわけにはいかないのだ。

何とか集中力を保ち、一日の仕事を終える。
仕事終わり、会社のエントランスを抜けると、亮が立っているの見えた。携帯を確認してみると、亮から待ってると連絡がきていた。今日一日携帯を見なかったので気付かなかった。

亮は少し困ったような笑顔だが、変わらず私を迎えてくれる。こんなに気まずくなっているときでもちゃんと迎えにきてくれる。まだ私を大事に思ってくれているのか、と思うと思わず涙が落ちそうになる。
しかし、現実と向き合うのは早いほうがいい。

「今日はこのまま亮の部屋に行きたい」

「うん、わかったよ。お腹すいただろ?何か作って食べるか。」

笑いながら優しく言ってくれる。何事もなかったような優しい声だ。

部屋に着き、食事を終えてまだ帰ろうとしない私に戸惑っている様子だ。月曜日から私が泊まるわけないと思っているのだろう。シャワー先にどうぞ、というと、いよいよ驚いた顔をしていたが、結局何も言わず、シャワーに行った。
その隙に私は行動に出た。

亮のスマホを手に取り、パスワードを入れてみる。一発ですんなり開いた。私の誕生日だ・・・。私の誕生日を設定してくれているのに、この先見てしまうことを想像すると、色んな感情が入り乱れ泣き出したくなる。

とうとう、禁断の行為をしてしまう。まさか私が・・・彼氏の携帯を見ることになるとは。
話にはよく聞くが、信頼関係があれば、携帯を見ようとは思わないのに、と、完全に他人事だと思っていた。まさかこんな日がくるとは思わなかった。

まずは電話番号・・・一番多いのは発信着信ともに私だ。その次に多いのが、090から始まる携帯電話の番号。登録名も同じ電話番号になっているので誰のかわからない。
次はメッセージ・・女性の名前が結構ある。元奥さんの名前もあった。中身を全部見てみたいところだが時間がない。一番上にある名前をタップしてやりとりを見ようとするが、全部削除されている。この人で間違いないだろう。
『eri negishi』ネギシ エリさん。
名前と電話番号をメモして、スマホを閉じる。

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