年上同期の独占愛~ずっと側に
「ははっ。何言ってるんですか。病人は何も気にしなくていいです。」

「前に酔っぱらったお前をここに泊めたことあったじゃん。あの時もソファで寝かせたんだよな」

「当然です。見捨てず連れて帰ってくれて感謝してます。」

「翌朝お前を駅まで送ってるとき、すっげぇ後悔したんだ。ベッドに引きずり込んでおけばよかったなって。だけど、萌々香に嫌われたくないし、第一、確実に記憶ないなって思ってさ。
まさかまたチャンスが巡ってくるなんて思わなかったから、すっげぇ嬉しかった。あの日は躊躇わず、萌々香のこと抱いたんだ。」

「・・・・・」

「俺のこと少しは好き?」

もちろん嫌いな人を誘ったりしない。しかし神田先輩と恋愛するなんて、どうしても考えられない。
曖昧に頷くと、神田さんは苦笑いしながらため息をつき、頭をポンポンと撫でた。

「神田さん、本当に・・・本当にありがとうございます。神田さんにそんな風に言っていただいて、勿体ないです。」

「こっちこそ。ありがとな。」

「もう飲み歩くのやめようと思ってます。」

「ん?」

優しい顔して私を見ている神田先輩に、思わず涙が出そうになったが、ぐっとこらえて話をする。

「元々お酒すきじゃないのに、嫌なこと忘れたくて縋ってたようなものだから。弘美や神田さんみたいに心配してくれる人もいるし。今度からは飲みたくなったら誰か誘って楽しいお酒を飲むことにします。」

「ブハッ。弘美ちゃん怖かったもんなー。俺なんて完全不審者扱いだったぜ。」

私だって、この前弘美が酔っぱらったときは本当に気が気じゃなかった。心配で仕方なかった。私の時は神田さんが側にいてくれて運がよかっただけど、あのままだったら悪い男に引っかかったって文句は言えない。弘美にはそうなってほしくない。多分私のことも同じように思ってくれていたに違いない。


「軽く食べられそうですか?」

「うん。普通に食えそう。」

「じゃあ、支度しますね。休んでてください。」

普通というのがどのくらいなのかわからないが、ご飯、お味噌汁、焼き魚と温野菜を冷蔵庫にあった高そうなアンチョビソースで和えて出した。
足りないようだったら何か考えようと思っていたのだが、完食はしてくれたが、お腹いっぱいだと少し苦しそうだった。まる二日間以上まともに食べていなかったので当然だろう。

< 168 / 228 >

この作品をシェア

pagetop