年上同期の独占愛~ずっと側に
別れ
どんなにつらくても、仕事はしなくては。
相変わらずの混雑のなか、エレベータを待つ。何だか周りにいるたくさんの人たちがみんな幸せに見えて、自分ひとりだけが不幸な気がしてくる。どうせ私なんか、とか、なぜ私ばかり、など、卑屈な考えばかりが頭をよぎる。

母が言うように、全部私のせいなのに・・・亮を好きになった私のせいだ。私の魅力が足りなかったために、根岸さんと浮気された。私に無くて、根岸さんにあるもの・・・それが何かは今は分からないけど、私のせいであることは、確かだ。

今日の午前中までに作成したい資料がある。それなのに仕事が手につかない。それどころか、堪えようとするのだが、涙が出てきてしまう。何度も鼻をすすり、パソコンに向かい資料作成をすすめようとするのだが、涙で画面が見えない。
隣の席にいる原さんがとうとう声をかけてきた。

「体調悪いですか?」

「いえ、すみません。仕事中なのに、集中できなくて。」

「何かありましたか?」

「・・・」

「お父さんと揉め事?前に言ってた家の手続きとか?」

原さんは中々しつこく質問してくる。
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