裏切り

再会


「夏海!!」
「あ~、千亜季!!!」
二人で抱きあってしまった。

そんな私のスカートを
チョンチョンと下から
引っ張られ
「あっ、ごめん、ごめん、結翔。」
と、言うと
夏海は、笑いだし
結翔は、プンとしていたが
夏海が
「こんにちわ、結翔君
私は、ママの友達の鏡 夏海です。」
と、言うと
結翔も
「こんにちや」
と、頭をペコリと下げた。

「うふふっ、綺麗な顔してるね。
さすが、千亜季の息子だわ。」
と、夏海が言いながら
頭を撫でると
結翔は、嬉しそうにしていた。

それからは、三人でテーブルにつき
注文して、食べたり、飲んだりしていた。

あの時が、嘘のように
夏海との話しは、途切れる事もなく
すると······
「夏海!!、ママっ」
と、ダンディの顔の男性と男の子が
やってきた。
「千亜季、
主人の陽介と息子の奏多よ。」
と、紹介されて
「進藤千亜季と息子の結翔です。
宜しくお願い致します。
奏多君も宜しくね。」
と、言うと
陽介さんから、夏海の事で
お礼とお詫びをされたが
「本当に、もう全然気にしてません。」
と、伝えると
陽介さんも夏海も嬉しそうにしていた。

奏多君と結翔も何やら
話をしていた。

陽介さんは、本当に優しくて
夏海の事が大切でたまらないみたいだ。
奏多君も陽介さんから離れずにいる。
「本当に仲の良い父子だね。」
と、言うと
陽介さんは、とっても照れて
夏海は、
「そうなの。
私がやきもち焼くくらいなんだよ。
二人で、いつもくっついていて。」
と、言うから
思わず笑ってしまう。


陽介さんは、びっくりした顔をしながら
「そんな風に思っていたの?」
と、夏海に訊いていた。

あ~、いいな
私も翼に会いたくなったと
思っていたら
「千亜季」
「あっ、翼、お帰り。」
「ただいま」
「パパっ」と
結翔が翼に飛び付く
翼は、結翔を抱き上げて
頭を撫でながら
「結翔、ただいま。
お兄ちゃんに遊んでもらっていたのか?」
「うん、おにいちゃん」
結翔と話しといる翼に
「翼、夏海と夏海のご主人の陽介さん
そして、結翔と遊んでくれてる奏多君だよ。」
と、紹介すると
「進藤翼です。
やっと再会が実現しましたね。」
優しげに微笑んで夏海に伝えて
ご主人の陽介さんに頭をさげた。

夏海は
「はい。やっとです。
進藤さん、あの時、千亜季を救って
頂いてありがとうございました。
千亜季が、とっても幸せそうで
本当に良かったと思っています。」
翼は、結翔を下に下ろしながら
「いえ、俺が千亜季に惚れただけです。」
と、言うから
千亜季は、真っ赤になり
夏海は、あらっと驚いて
陽介さんは、頷きながら微笑んでいた。

「もう、翼は。
でも、夏海のとこもそうじゃない。」
「あ~、まぁね。
奏多が、初めてあった時から
陽介さんから離れたがらなくて」
「うふふっ、わかるんだね
子供には·····
優しいひとだって。」
と、言うと
陽介さんは、
「そういって頂けるのは
恥ずかしいのですが
私はこんな体ですから
奏多に弟妹を作ってあげる事が
できません。
ですから、進藤さん
たまにで構いません
結翔君と奏多を遊ばせて貰えませんか?」
と、言うから
私と翼は、
「「もちろん、こちらからも
宜しくお願い致します。」」
と、言った。

私達は、暫く四人で話し
その間、結翔と奏多君は、
仲良く遊んでいた。

帰り際に、結翔が
まだ、お兄ちゃんと遊ぶと
泣いてしまい
奏多君が
「また、いっぱい遊ぼうね。」
と、言って結翔の頭を撫でると
結翔は、うん。と嬉しそうに
していた。

夏海は、あの頃とは
違って、とても穏やかで
優しい顔をしていた。
元から綺麗な女性なので
陽介さんが夢中になるのもわかる。

また、合う約束をして
私達は、わかれた。
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