渇愛の姫
「あれ?さっきの転校生!えーと…」
「橘 千紘。玲緒、お前は女以外の名前をもっと覚えろ。」
「そうそう、橘!でも俺女の子以外の名前覚えたくないんだよね〜」
新と玲緒が喋っている内容が、よく理解できないほどに頭が回らない。
「………」
多分、見てる。結雅を。
「結愛、帰ろう?」
帰る…どこに?
また、あそこに帰る…?
「あーあ、震えてるじゃん。…ねぇ君、結愛のこと離してあげてよ。」
私が震えている理由なんてわかりきっているくせに、結雅のせいにするなんてどこまでも腐った男。