渇愛の姫



「ごめんね、結愛。私はもう結愛のお母さんである資格はないかもしれない。けれどこれだけは言わせてね?」


ふわりと、懐かしい香りがした。







「…幸せになるのよ、結愛。愛してる。ずっと、ずっと───」


その瞬間、ずっと流れなくて苦しかった涙が流れた。

そして目の前に広がる広い闇もいつの間にか消えていた────。









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