渇愛の姫
「もう朝か…」
嫌いなアラームの音で目が覚めた。
朝起きて1発目に鏡を見ると相変わらずの濃ゆさを保ったままのキスマークに嫌気がさす。
ファンデーションで少しは隠せるけど完璧には隠せなくて、やっぱりファンデーションを落とした。
隠すのもなんか後ろめたいようで気持ちが悪いし。
見られたら見られた。
まぁ私の体なんてそんなじっくり見られることもないだろうけど。
「行ってきます」
今日も返事はない。