甘酸っぱい恋のお話

―風が髪を揺らす―

 あ―

 「間に合ったぁ...」


今日は寝坊なんかで焦ったんじゃない。

前にも言った通り朝ずば抜けて起きる日があった。

その時は1人の時間を有効的に使えて夢じゃないけれど

髪型のセットまでちょっぴり古びたコテで巻けるような時間があった―

時を想い出して明日は早く起きてしまえば...

と想ったのだ。

今日起きたきっかけは郵便局の配達屋さん。

別に配達屋さんが悪い訳でもなんともない。

むしろありがとう―

バイクの音で目が覚めたのはこれで3回目。

バイクの止まる音や色々でまぶたが勝手にゆっくり開いてくる。

この時間はぴったりではないけれど決まってる。

だからAM3:00ってことだけはすでに頭のなかにあるのだ。


窓をそっと開ける瞬間にバイクの音が近づき耳をふさぎそうになった。

が...2階にで電気が赤々としていたためなのかは不明だが

上を見上げられそうになりそっと隠れた。

下をあまりにも見渡していたので気づいてしまったのだろう。

今日はテレビでDVDを見ようと想いリモコンを手に取る。

少し下の階にいる両親をバラさないため...

起こさないために音量を焦りながら

戸惑うようにリモコンの音量ボタンを強く押し続けた。


6:00になって母が起床。

と言ってもマイペースな時間を過ごしているようにも見える。

そう見えたのは間違いだったかのように

お弁当の支度やなんやりドタバタしていて床にも音が伝わってくる。

まだ寝ている人のことは忘れた様子でいた。

私はその繰り返し作業をぼーっと

意識が失ったかのように

呆然と眺めているとすでに日が差し込んでいた。


―今日は何だか空気が良い。

風通しに透明感...

程良い風が髪を揺らす...

たぶん夜だったらおいしい空気だったかもしれない。

考えると想像しちゃったりする。

妄想というよりかは想像に近くて

それは大抵的中する。

能力ではない何かがあるのかもしれない。







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