王子様の溺愛は、とことん甘い【番外編追加済み】
あ、そうだ。昨日父さんが土産にもらったというクッキーがあったっけ。
芙羽梨のために何かお菓子を買おうと思っていたから、とてもタイミングがよかったな。
そうして席を立ち、飲み物を取りに行った。
***
「お待たせ」
そう一声かけてドアを開けると、分厚い本のようなものを広げて固まる芙羽梨がいた。
…どうしたんだろう?
あまり見ない姿に疑問を覚えて、そっと近寄り…。
「…芙羽梨?」
「ひゃっ…!?あ、詩音先輩…って、わあっ!す、すみません…!」