王子様の溺愛は、とことん甘い【番外編追加済み】
耳元で声をかけると、可愛らしい悲鳴を上げて見ていた本を閉じてしまった。
すみません…って言ってたけど、何を見てたんだ?
芙羽梨の手元を覗くと、表紙がチラッと見えて納得した。
「…僕の卒業アルバム?」
「う…はい。すみません、どうしても見たくて…」
重罪を犯してしまったかのような重たい空気が芙羽梨の周りにあるけど、僕はそれを苦笑で返した。
「好きに見ていいって言ったでしょ?それくらい謝らなくたっていいから。ね?」
「はい…ありがとうございます」
頭を撫でて優しく言うと、芙羽梨は安堵の表情で胸を撫で下ろした。