美術室のユーレイ




「舞空」




叶多くんが優しく私の名前を呼ぶ。



「俺たちが消えなかったのは全部、舞空のおかげなんだよ」



「私の…おかげ?」



叶多くんは頷く。



「舞空は俺のことを助けられなかったって言ってたけど、そうじゃない。言ったよな?俺は神様と友だちだって。舞空の勇気ある行動に神様の心は動かされた。だから俺たちを……生かしてくれた」




神様の心を私が動かした…?



私は…役に立てたの?



「舞空が動かなかったら俺はこのまま彼岸よりももっと奥底に行って、二度と舞空に会うことができなかった。けど、舞空が動いてくれたから、舞空がリスクを背負ってまで過去を変えようとしてくれたから、今の俺がいる。舞空は俺のことを助けてくれたんだ」




そう言って私を抱きしめてくれた。



視界が涙でぼやけ、頬を伝って床に落ちた。

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