美術室のユーレイ
「グフフフフ」
「ひっ…!」
悪霊は私の方へ笑いながら近づいてきている。
どうやら私をターゲットにしたようだ。
「嫌…こないで…」
震える手を顔の前に持っていき、せめてもの防御をした。
こんな場面2回目だからと言い、慣れたものじゃない。
「やめろ!舞空には手を出すな!」
そんな美斗くんの声もお構いなしに、ずんずんと私の前にやってきた。
そして鋭い爪が私の頭上を捉えた。
その爪が振り下ろされたら私の体は間違いなくズタズタになるだろう。
「嫌…嫌…」
もう言葉でしか抵抗できなかった。
悪霊は私の頭上を捉えた爪を勢いよく振り上げた。
もう、ダメだ…。
私は覚悟しギュッと目をつぶった。
その時だった。