美術室のユーレイ
「うん!一緒に探そ!だから泣き止んで?」
私がそう言うと女の子はパッと笑顔になる。
「お姉さん!ありがとう!」
涙を拭った女の子は私に抱きついてきた。
そんな女の子の頭をよしよしとなでる。
こんな純粋な子どもを悪霊だなんて思った数分前の私を殴りたい。
全然普通な女の子じゃん。
どこから入ってきちゃったのかはわからないけど、くまさんのぬいぐるみを見つけたらお家に帰してあげよ。
女の子の頭をもう一度優しくなでる。
なんか妹ができたみたい。
小さくくすりと笑う。
空の色がだんだんと紫色に染まり始めているのに私は気づかなかった。