溺愛婚約者と秘密の約束と甘い媚薬を




 そんな事を過ごしている内に、時間はあっという間に過ぎてしまう。
 柊は早めに帰宅してくれたので、すぐに風香の家に向かった。


 「今日は1日大丈夫だった?」
 「うん。頭痛もなかったから。心配かけてしまってごめんなさい」
 「いいんだよ。元気ならよかった。あぁ、そうだ。大家さんが新しい鍵を渡したいから部屋に寄って欲しいと言っていたよ。さっそく部屋の鍵を変えてくれたみたいだよ」
 「そうなんだ………少し安心するね」
 

 風香は大家に今回の事をお詫びし挨拶をした。「これからも気を付けなきゃだめだよ」と、心配をひてくれた大家から新しい鍵を貰い、風香は部屋に戻った。
 当たり前だが、荒れたままの自室。
 その光景を見ると、胸が締め付けられる思いがする。


 「………片付けもしなくちゃね」
 「そうだね。鍵も変えて貰ったし昼間なら来てもいいかもしれない。明日部屋まで送るよ」
 「ありがとう。じゃあ、今日は必要なものだけ持って行くね」


 風香は、部屋に入り台所から薬を見つけた。そして、大荷物になるがパソコンも持って行く事にした。柊が「しばらくは俺のところへおいで」と、自宅へ帰すのを止めてくれたので、仕事用のパソコンも持ってくる事を勧めたのだ。
 重たいパソコンは柊が持ってくれる。




< 91 / 209 >

この作品をシェア

pagetop