もう一度だけ、キミに逢いたい。

…きっとなんでもなくないことは光ちゃんなら分かっているだろうけど、あの言葉の続きは絶対言いたくなかった。


伊織くんと逢えない寂しさは、光ちゃんでは埋めることはできない。


そんなことはもちろん分かっているし、光ちゃんだって分かってるはず。


だから、あえて口に出す必要はないし、言ったら多分光ちゃんを今よりももっと苦しめてしまうから。




「……そっか。まあそれもそうだよね。じゃあとりあえず朝ごはん食べない?もう出来てるよ」


……ごめんね、だけどありがとう、光ちゃん。


「うん……食べる。着替えて顔洗ってから行くから待ってて」


「分かった。だったら私はしたで待ってるね」


「はーい」




……ふぅ。


光ちゃんが部屋から出て行ったのを確認して、わたし一つため息をつく。


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