もう一度だけ、キミに逢いたい。
(し、しまったっ…
伊織くんってしたの名前で呼ぶなんて、伊織くんと親しいって言ってるようなもんだ……っ。
それよりも、痛いッ……)
お願いっ……お願いだからもうやめてッ……。
一気に色々なことが頭の中に入り込んできたので、余計に混乱していく頭。
ただ、嫌がらせをされていたことはなんとなく思い出した……っ。
『……わたしはっ……あんた達に命令なんてされたくないっ……!わたしが誰といようが、伊織くんをしたの名前で呼ぼうが、あんた達には関係ないっ……!』
“わたし”は今まで嫌がらせをされてきたことへのストレスが溜まっていたのと、直接色々と言われたことへのイライラが爆発したのか、大きな声を上げてしまったようだ。
すると、“わたし”の言ったことが感に触ったのか、顔を真っ赤にして怒り出し、挙げ句の果てには手まで上げてくる女子達。
『…っはぁ!?何よ急に生意気な!あんたなんか死ねよッ!!』
『伊織様のこと好きじゃないくせに、近づくとかマジで邪魔!!』
『消えろよ!それで二度と伊織様の前に現れんなっ!!』