もう一度だけ、キミに逢いたい。

今思えば、全然なんとも思っていない人相手にゆりはそんなことしないと思う。


人間恐怖症、人間嫌い、そして人一倍人間に関わること、人間の感情、人間への警戒心が強いゆり。


あの時はゆりが誰か知らない男の名前を寝言で呼んだことも含めて、全然冷静でいられなかったからそこまで頭が回らなかった。




……っ、ゆりに、逢わなきゃ。


それで、本人の口からちゃんともう一度聞かなきゃ。


ゆりが……




───……俺をどう想っているのかを。




もう一回は振られているんだ。


……だからといって怖くないわけじゃない。


むしろ手が震えるくらい怖ぇよ…


どうしたってもし嫌いだって言われたらどうしようっていう想いは絶対に消えないから…

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