東京血風録3 キラーズ・コード【改編版】
摂津の所に、ある鬼の仲間から連絡が来た。
殺される、助けてくれと。

場所は奈良。
助けの連絡をした鬼は、東京方面へ逃げようとしていた。逃げる道中、追われている別の仲間と合流した。
そいつは、京都から逃げてきた。
息も絶え絶え逃げた。

場所は東京。
鬼の王たる、摂津秋房は行動する。
4人の仲間を引き連れて。
落ち合った時、奇妙な感覚はあったのだった。
しかし、急いていた摂津にそれを気に留める余裕はなかった。

電車は好きではなかったので、鬼の脚力に任せ、走った。
霊山、箱根に着いた時それは起こった。
いちばん先に着いたので、残りの3人が来ないので待っていた。
一向に来ないので、苛立ち始めた頃に一鬼がやって来た。
その手には、同胞の首があった。
怒りが沸騰した。
勢いに任せ、その裏切り者を殺そうと思ったのだが、助けを待つ同胞を優先して先へ進んだのだ。

因みに、彼らの連絡手段は念波である。
距離と時間は比例して、遠くの者の念波には時差を生じる。

愛知へ入った頃念波が届いた。
その念波は、その先の者の断末魔だった。

途方に暮れ、地に伏していると生き残った者がこちらへ向かっているという念波を受けとった。
何処で落ち合うか算段していると、背後に人の気配を感じた。
振り向くと、あの仲間を殺した裏切り者であった。
奇妙であった。
人?
何故?
疑問の渦に昏倒しそうだったが、男が向かって来たのでそうもいかなかった。

男は藤堂と名乗った。











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