東京血風録3 キラーズ・コード【改編版】
真琴は呆けていた。
飛鳥のベッドの横スツールに腰かけ、両手は飛鳥の左肩に置かれていた。
飛鳥は寝ていた。

思い切って、柊一に告白したのに、その気はない。
と、一蹴されてしまった。
準備を済ませると、一足先に帰ってしまった。
真琴も帰るはずだったのだが、気力が無くなってしまい、しょうがなく飛鳥の治癒をしようと思ったのだ。
もう1時間もそうしていた。

真琴は考える。
通じないものだ、と。

亞軀斗。
一撃必殺の究極返し技である。
相手の力を最大限に利用して、相手に返してやる。
真琴は、練習を含めて20回程しか使っていない。
それで充分だった。
それだけで、理解していた。
亞軀斗は、その威力そのままにダメージを蓄積する。
自分の体に。
相手の力が大きけれは大きいほど、ダメージの蓄積も大きくなる。
鬼相手、しかも2回も使ってしまった。
地面に叩きつけられた時は、終わったと思った。
でも、なんとか。
柊一のサポートをするのは、大好きだった。
力を合わせて物事をクリアしていく。
その感じが好きだったのだ。
あと何回、一緒に闘えるのかな。
考えると泣きそうになる。
考えるな。
両手に力を込めた。











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