僕に初めての感情を君が教えてくれた。


~家の中~


家の中は、私の家より広い。家具はアンティーク調のものがたくさん置いてあった。何より私が一番驚いたのは、家のドアを開けると玄関にたくさんのメイドさんや、執事さんがいたことだ


「ただいま!」


政宗くんがそういうと、声を揃えて…


「「「おかえりなさいませ。政宗様。」」」


と言い、礼をした。私もつられて会釈をした。すると、そのあいさつのしてる人達の中から、ベテランのおじいさんの執事さんがこちらに近づいてきた。


「政宗様、今日も1日お疲れ様でした。そちらの方は、昨日お話になっていた方ですか?」

「うん。そうだよ。」


政宗くんがそういうと、おじいさんの執事さんがこちらを向き、笑顔であいさつをしてくれた。


「はじめまして。私は、政宗様の執事として務めております。有栖川 雪也(ありすがわ ゆきや)と申します。気軽に雪也とお呼びください。」

「雪也さん、はじめまして。あの政宗さんと仲良くさせていたたいております。今田 摩耶と申します。よろしくお願いします。」

「よろしくお願いします。摩耶様は、政宗様からうかがいました通り、とても可愛いらしい方でございますね。」


すごく、雪也さんがほめてくれるから、私は照れた。そして、雪也さんが私をすごく歓迎しているのが分かった。


「ありがとうございます。あの、すいません。できれば、私のことは普通に呼んでください。」

「かしこまりました。では、摩耶さんとお呼びしてもよろしいでしょうか?」

「お願いします。」


そうして、私が雪也さんと話に夢中になっていると、政宗くんから抱き寄せられた。


「雪也さん。摩耶は僕のだからね。そして、僕は、もう、そろそろ摩耶と二人きりになりたいから部屋に行ってもいいかな?」

「はいはい。政宗様は心が狭いですね。それほど摩耶さんが好きなんですね。」


私は、政宗くんの顔は見えなかったけど、声ですごく不機嫌なのが分かった。


「さあ、摩耶。僕の部屋に行こう!」

「うん。」

私達は政宗くんのお部屋に向かうことにした。






政宗くんのお部屋は、2階の角で中に入ると、中は綺麗に整頓されており、壁一面本棚に本がたくさんあった。


「お邪魔します。」


「どうぞ!入って!はぁ~!摩耶が僕の部屋にいるなんて夢みたい。」


政宗くんは、とても幸せそうな顔をして言った。


「もう!大げさなんだから。」

「ねぇ?摩耶、やっと二人きりになれたし、摩耶が僕の部屋にいるのが、夢じゃないか確かめたいし、僕が摩耶不足だから、ぎゅーってしたい。」


政宗くんは、そういうと、ソファーに座り私を膝の上に乗せて正面から抱き締めた。


ぎゅー


「摩耶、僕の頭よしよしして?頑張ったねってえらいねって言いながら。ダメ?」


政宗くんは、私がこれに弱いと分かっていて、やっているのだ。私は、心の中で政宗くんの可愛さに悶えながら、政宗くんの頭を撫でることにした。


「政宗くんはいつも頑張っててえらいよ!」


よしよし


なんだか、政宗くんの髪はさらさらしていて気持ちが良いし、良い香りがした。


「なんか、摩耶に抱き締められながら、頭を撫でられると落ち着く。」

「そう?政宗くんに、そう言ってもらえると嬉しい!」


しばらく、頭を撫でていると、急に政宗くんの顔が、ふにゃふにゃの顔から真剣な顔に変わった。


「ねぇ~摩耶?僕、摩耶にキスしたい。」


そういうと、政宗くんの整った顔が、近づいてきて、あともう少しで唇が触れ合う距離になったとき……


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