僕に初めての感情を君が教えてくれた。

次の日

朝、学校へ向かうと、女子達が何か騒いでいる。

「キャー 佐藤くんがいるわ。」

「早く、あいさつしなきゃ!」


そして、女子達に囲まれてしまった。


また、女子から囲まれる生活が始まったとか、よく朝からこんなに騒いで疲れないなとか、僕が憂鬱に思っていると…
 

今田さんが不思議そうな顔をして通って行くのが見えた。


僕は、今、囲っている女子を全無視して、今田さんにあいさつをした。 



今田さんは、戸惑ってはいたものの、あいさつを返してくれた。







~1ヵ月後~


僕の今田さんと仲良くなろう計画に進展があった。

それは、あいさつするのが当たり前の仲になったことだ。


僕は、美里に自慢しに行くことにした。

〔彼の名前は、中村 美里(なかむら みさと)と言い、男の僕がイケメンだと思うほどカッコいい男だ。
彼は、頭が良く、運動神経も良い。しかし、性格に問題がある。
それは、極度の女嫌いというところだ。そこが僕と似ていて仲良くなった。〕


「なぁ里美、聞いてくれよ。やっと今田さんとあいさつするのが当たり前の関係になったぞ。」

「へぇーそれは良かったな。」

「何でそんな棒読みなんだよ。」

「いや、俺が女嫌いなの知ってるだろ。しかも、あいさつするのが当たり前の関係になって喜んでるとこ悪いが、お前は、今田さんとどうなりたいんだよ?」

僕は、美里にそう言われて、お花畑状態だった脳みそが現実に戻ってきた。

「僕だけの恋人になって欲しい。」

「そうだろ!このままでいいのか?ダメだろ。このままだったら、今田さんは、お前の恋人になるどころか、ただのちょっと感じの良い人だぞ。それでいいのか?」

僕は、ちょっと想像してみた。今田さんが他の男に奪われて、幸せそうに頬を赤らめて…

「そんなの嫌だ!今田さんを他の男に奪われたくない!」

「そうだろう?じゃあ、こんなとこにいないで次の行動に移れ。」


僕は、この後の授業はまともに聞けず、あっという間に一日が過ぎた。家でベッドに横になりながら、次の作戦を考えた。


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