人格矯正メロディ
その結果もあり、あたしは今の高校に入学することになってしまった。


中学の頃いくら本気でパティシエになりたいと訴えても無視され、志望校まで勝手に決められたのだ。


本当なら県外の専門的が学校に入学できたはずなのに……。


思い出してあたしは下唇を噛みしめた。


普通高校を卒業した後でも夢を追い掛けることはできると思う。


だけど、今の両親と一緒にいる限りは無理だと思えた。


あたしは鞄からスマホを取り出して『人格矯正メロディ』のアイコンを見つめた。


もしも両親にこれを聞かせることができたらどうなるだろう?


パティシエの夢を諦めることはなくなるだろうか?


それ所か、もしかしたら全力で応援してくれるようになるかもしれない。


あたしはスマホをグッと握りしめたのだった。
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