人格矯正メロディ
やがて10分20分と経過していき、ホームルームのチャイムが聞こえはじめてしまった。


香澄のヤツ、今度会ったらただじゃおかないから!


そう思い、舌打ちをしながら大股に教室へと向かう。


すぐに始まったホームルームで先生の話を聞いている間、あたしは何度もスマホを確認した。


しかしやはり香澄からの返事はない。


今までこんなことは一度もなかったのに……。


怒りと、微かな違和感が胸を刺激し始める。


ホームルームが終ったタイミングで席を立ちナツコに声をかけた。


「ねぇ、香澄と連絡が取れる?」


そう聞くあたしに、怪訝そうな表情を浮かべるナツコ。


「どうして香澄と連絡が取りたいの?」


普段ならすぐに教えてくれるのに、ナツコは冷めた視線をあたしへ向ける。


「理由なんてどうでもいいでしょ。教えてよ」


「めんどくさいから嫌」


ナツコはそう言うと、笑い声を上げて教室を出て行ってしまった。


あたしは唖然としてその後ろ姿を見送る。
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