人格矯正メロディ
☆☆☆

「あははっ! コトハってばおもしろぉい!」


数分後、トイレにこだまする笑い声にあたしが唖然としていた。


さっきまで地味で笑顔なんてひとつも見せなかったユズが、今はコトハの話にお腹を抱えて笑っているのだ。


どこからそんな声が出るのだろうと疑問になるほど、大きな声を出している。


「あ、もうホームルーム始まっちゃうじゃん! 2人も遅刻しないようにね!」


すっかり人格が変わってしまったユズは元気よくそう言うと、あたしたちに手を振ってトイレを出て行ってしまった。


あたしはその後ろ姿を呆然として見送る。


「ほらね! すごいでしょ!」


そう言うコトハも興奮しているようで、頬が赤くなっている。
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