人格矯正メロディ
☆☆☆

香澄と男子生徒はいなくなった。


といっても男子生徒たちの方は謹慎処分だけで戻ってくることができるかもしれない。


なにせ、学校内での淫行に誘ったのは香澄の方なのだから。


香澄はもう学校へ来ることはできないだろう。


いくら金持ちの娘だからと言って、なにもかもが許されるわけじゃない。


それに、本人も恥ずかしくてとても戻っては来れないだろう。


「香澄がいないと平和なクラスだねぇ」


窓際に立ってコトハが行った。


「本当、静かになってちょうどいいよね!」


あたしは満面の笑みでそう答えて大きく伸びをした。


マチコやナツコなど、香澄の取り巻きたちもてんでバラバラなグループを作って、群れることはしなくなっていた。


「でも、せっかく香澄のことを奴隷にしたのに、学校に来なくなるのはもったいないよね?」


コトハの言葉にあたしはニヤリと笑った。


今までの怨みはあれだけのことじゃ解消されない。


もちろん、香澄を手放すつもりなんて最初からなかった。


「今日の放課後、面白いものを見せてあげるからおいでよ」


あたしがそう言うとコトハはキョトンとした表情を浮かべたのだった。
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