前略、結婚してください~過保護な外科医にいきなりお嫁入り~
七月に入った今日、閉館間際の図書室で、私は今度ボランティアの方々によって行われる読み聞かせのお知らせを作成している。祖母との雑談に付き合いながら。
まだ梅雨が明けないせいで外は蒸し暑そうだが、彼女はカラカラの太陽みたいに明るい。
「結婚式ねぇ。そりゃ~やっぱり白無垢か色打掛じゃないかい? あと引き振袖ね。ああでも、ドレスで抱き上げられてる姿も目に焼きつけて冥途の土産にしたいし……もう全部やっとくれ、全部!」
「おばあちゃん……」
ほとんど人がいない今、私の結婚式についてテンション高く語っていても問題ないのだが、久夜さん同様いろいろな衣装を着せたいらしいので苦笑した。
自分にこれといった願望がないため、祖母のリクエストを聞いてみたらこの調子だ。お色直しを何回したらいいのだろう。
本の整理を終えてカウンターに戻ってきた末永さんも、にんまりして祖母に同意する。
「相手はお医者様だもの、それくらい派手にしたっていいわよ。ねえ、トキさん」
「それな」
すかさず返す祖母には笑ってしまうが、そもそも必要以上に目立ちたくはないのよね……と消極的な自分が内心訴えている。