前略、結婚してください~過保護な外科医にいきなりお嫁入り~
……最初からわかっている。私が久夜さんに釣り合っていないことくらい。こんなふうに否定されまくると、いくら腹いせだと理解していてもめげそうになる。
でも、負けたくない。理不尽な仕返しなんて放っておけばいい。
私は久夜さんが好きで、彼も確かな愛情を与えてくれている。それだけで妻としての自信をなくさずにいられるのだ。
だから気にするな……と自分に言い聞かせるほど、胸の苦しさがどんどん増してくることに気づかないフリをして、唇を噛みしめて私も踵を返した。
午後はなにもなかったように徹し、いつも通りの仕事をこなした。その間、北澤さんの言葉はずっと頭につきまとっていたが、なんとか業務に意識を集中させて乗り切った。
定時で仕事を終えると、無性に祖母の顔を見たくなって病室へ向かう。窓際のベッドに座って刺繍をしていた彼女は、私を見て目を丸くした。
「おや、どうしたんだい? 伊吹」
「おばあちゃんに会いたくなっただけ」
祖母はそれを聞いて嬉しそうに目を細める。彼女のくしゃっとなった笑顔は、私の心も大福みたいに丸く柔らかくしてくれるのだ。
でも、負けたくない。理不尽な仕返しなんて放っておけばいい。
私は久夜さんが好きで、彼も確かな愛情を与えてくれている。それだけで妻としての自信をなくさずにいられるのだ。
だから気にするな……と自分に言い聞かせるほど、胸の苦しさがどんどん増してくることに気づかないフリをして、唇を噛みしめて私も踵を返した。
午後はなにもなかったように徹し、いつも通りの仕事をこなした。その間、北澤さんの言葉はずっと頭につきまとっていたが、なんとか業務に意識を集中させて乗り切った。
定時で仕事を終えると、無性に祖母の顔を見たくなって病室へ向かう。窓際のベッドに座って刺繍をしていた彼女は、私を見て目を丸くした。
「おや、どうしたんだい? 伊吹」
「おばあちゃんに会いたくなっただけ」
祖母はそれを聞いて嬉しそうに目を細める。彼女のくしゃっとなった笑顔は、私の心も大福みたいに丸く柔らかくしてくれるのだ。