エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
クリームでベタベタになった体をシャワーで洗い流す。

もちろん一人でだなんて洋介さんが許さない。

恥ずかしいから暗くしてと言っても「この目に焼き付けたいから」と理由をつける。

だけど好きだから抵抗できなくなる。

自分がどれほど彼が好きなのかを思い知らされた。


だがそんな甘く痺れるような時間はあっという間に過ぎた。

「大丈夫か?」

「……うん」

あんなに愛し合い、はしゃいだのに別れる時は言葉少なくなっていた。

だって口を開けばきっと行かないでって言ってしまうから。

それにこれ以上一緒にいたら明久さんにバレてしまう。

帰り際洋介さんは私に封筒を差し出した。

「何?」

「君からもらっていたお金だ」

「でもそれは……」

だが洋介さんは首を横にふった。

「俺はずっと泉を恋愛対象としてみていた。だからこれはもらえない」

ずるい。

こんなギリギリになって……。

私は封筒を受け取けとった。

「月曜日からは上司と部下の関係に戻るが、君に迷惑をかけるような真似はしないから」

私は深々と頭を下げた。

そしてドアが閉まるまで顔を上げることはなかった。

床にポタポタと涙が落ちた。

人生で初めて心から愛した人との別れだった。

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