エリート上司を煽ったら極情愛を教え込まれました
二章
「か、課長?」

「なんだ、そんなに驚いて」

「驚くにきまってるじゃないですか?なんでここに?」


販売統括部の百貨店担当課長、堤洋介、30歳。

彼は私の上司だ。

180センチという長身に加え、目鼻立ちの整ったイケメンで、社内での人気は凄まじく、ウォルカの『女性社員が選ぶ下着を脱がせて欲しい男性』ナンバー1に選ばれた男だ。

だが、私はこの男がとても苦手だ。

一つは彼が今から3年前に異例の中途採用で入社したにもかかわらず2年で課長に昇進したからだ。

だけどスピード出世するだけあってその実力は折り紙付きだ。

そこがまた憎らしい。

そして2つ目の理由はこの人がイケメンすぎる上司だからだ。

同じ百貨店を担当しているが、何につけても比較されるのだ。

B Aを味方につけているというか……ナンバー1イケメンだから堤課長に何か言われると素直に聞くくせに、私が同じことを言うと文句のありそうな顔をする。

でも苦手なのはそれだけではない。

課長は何かにつけてすぐ私を呼びつけてはダメ出しをする。

私も課長の言ってることは理解できるんだけど、素直じゃないからつい口答えをしてしまう。

でことあるごとに言い合いになってしまう。

そんな課長がなぜ、同じ店にいるのよ。

「俺はお前が来る1時間近く前からあそこで飲んでたけどな」

そう言って指差したのは同じカウンターの端の席。
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