春。さよならを言えない俺に、じゃあ、また。
最後まで気に入らなかった男の顔が浮かぶ。
あいつ、別れたのか。そうか……。
今でもふいに思い出す風景がある。
ある秋の日、いつものように校舎の屋上で他の生徒たちと同様に昼休みをすごし、なつき先輩と一緒に階下に降りて行こうとした時だった。階段下にあの男がいた。なつきさんの元彼で、バスケ部の副キャプテンで、幼馴染で……。そこにいたのは偶然だったと思う。
あの頃、俺はいい気になっていた。
なつき先輩は俺がまとわりつくのを当初から嫌がらなくて、俺はそれをいいことに、彼氏ができたと聞いた後も彼女のそばにいた。
そして、まだ暑さの残る秋の初め、別れたと聞いた。
なつき先輩が嫌いだった郁はその事を面白がった。
俺からみると先輩は少し落ち込んではいるようではあったけれど、それでもそこまで気にしているようにも見えなかった。俺は、いけるって思った。
今思えば、バカだったと思う。
なつきさんはただ、俺が近くにいることを拒否しなかっただけで、決して、近づいては来なかったのに。
あの日、階段下で俺らを見上げたあいつはふっと視線を外して下を見た。その時俺は多分、ザマミロくらい思った気がする。
でも、すぐに目をまっすぐになつき先輩に向けてそいつは言った。
あいつ、別れたのか。そうか……。
今でもふいに思い出す風景がある。
ある秋の日、いつものように校舎の屋上で他の生徒たちと同様に昼休みをすごし、なつき先輩と一緒に階下に降りて行こうとした時だった。階段下にあの男がいた。なつきさんの元彼で、バスケ部の副キャプテンで、幼馴染で……。そこにいたのは偶然だったと思う。
あの頃、俺はいい気になっていた。
なつき先輩は俺がまとわりつくのを当初から嫌がらなくて、俺はそれをいいことに、彼氏ができたと聞いた後も彼女のそばにいた。
そして、まだ暑さの残る秋の初め、別れたと聞いた。
なつき先輩が嫌いだった郁はその事を面白がった。
俺からみると先輩は少し落ち込んではいるようではあったけれど、それでもそこまで気にしているようにも見えなかった。俺は、いけるって思った。
今思えば、バカだったと思う。
なつきさんはただ、俺が近くにいることを拒否しなかっただけで、決して、近づいては来なかったのに。
あの日、階段下で俺らを見上げたあいつはふっと視線を外して下を見た。その時俺は多分、ザマミロくらい思った気がする。
でも、すぐに目をまっすぐになつき先輩に向けてそいつは言った。