幸せの花束をもらった日に、あなたに愛してるを〜箱庭の少女と舞台俳優〜
しかし、話を終える前にエデンの信者たちは攻撃を開始した。エヴァは襲いかかる信者たちを殴り、信者から武器を奪って威嚇する。

「エヴァ、ごめんなさい!!」

涙声が聞こえ、エヴァがチラリと後ろを見るとカレンが泣きながら裏路地から逃げていく。それでいいとエヴァが安心した刹那、頭に衝撃が走った。頭を殴られたのだ。血が流れていく。

エヴァはまだ襲いかかろうとする信者たちを見つめる。まだ、自分の心はカレンのように感情を深く知らない。エヴァは覚悟を決めた。

「今から私は、化け物に変わるわ」

カレンと出会う前を思い出し、エヴァは必死で戦った。多勢に無勢という状況だったが、エヴァが勝つ。しかし、体力の限界だった。

「カレン……」

エヴァは意識を失い、再びその目を開けた時、記憶を失ってしまっていたのだ。



エヴァの話を聞き、シリウスは驚きを隠せなかった。エヴァは、誰かの欲望のために人を平気で殺し、傷つけてきたのだ。

「私はただ危険なだけの存在なのです。だから、触れないで……」
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