My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 5
「あぁ、夜が明けたらオルタードのところへ行くと言っていたな。カノンを嫁として紹介して、その話をするつもりなんだろう」
「なら私、嫁になろうかな」
「は?」

 ラグがこちらを振り向いた。その怒ったような驚いた顔を見て私は慌てて言い直す。

「振りね、振り。オルタードさんの前でお嫁さんになりきるの。そうすればグリスノートは船でセイレーンの秘境を捜しに行けるわけでしょ。その船にさ、一緒に乗せてもらえば良くない?」

 ――目指す目的地は一緒なのだ。それが今は一番良い方法な気がした。

< 230 / 280 >

この作品をシェア

pagetop