元最強女総長は甘くない。
ゲーセンの近くにバイクを止めた私たちはゲーセンへの道のりをゆったりと歩いていた。
その時、私はふと知った顔が見えた気がした。
思わず顔が固まってしまう。
隣を歩いていた千歳さんは不思議そうに私の顔を覗き込んだ。
「どうかした?」
いやいや、まさか。
……気のせい、だよね。
「いえ、なんでもないです……」
自分に気のせいだと言い聞かせて足を進める。
た、たとえ本物だったとして出会った時は知らないフリをすればいい。
出来るはずもないのに策を練る。
ま……まず本物じゃないと思うし…。
もともと私がいた町とは大分遠いところに引っ越してきた。