はやく俺のモノになればいいのに
「誠意みせてもらおうじゃないの。うちのモモに手を出してポイ捨てなんてしようものなら。ただじゃおかない」
実柑の目が据わっている。
「やっぱりオトコは獣だわ。まさかモモのファーストキスがこんなにはやく奪われるなんて。それも付き合う前」
「ビックリ、だよね」
「うちが奪いたかったなー」
そう言ってお弁当を食べている実柑にも気になることはあった。
「実柑は、どうだった?」
「んー?」
「桜井先輩との話し合い」
私の言葉にゴホッと蒸せ、お茶を飲む実柑。
「あの男は……マジでクズでゲスだからどうでもいい。しんでくれないかな」
なにがあったか知らないけど貶し方がひどい。
「……どんなこと言われたの?」
「モモにはまだちょっと、はやいかな」
「え?」
「キスの話するだけでそんなに顔赤くさせてるんだし」