はやく俺のモノになればいいのに


球技大会の練習のことだ。

いつのまに見られていたのだろう。


「キスするときだって。息止めるし」
「それ……は」


いきなりキスの話題がくると思わなくて、動揺してしまう。


目の前にあるカフェ猫のブランケットを頭から被りたい気分。


「とめた方が。いいかなと」
「止めたら死ぬよ?」
「タイミングが! わからなくて」
「あー……。そういうのは。そのうち慣れるかな」


【そのうち】


「……慣れるほど。経験するかどうか」
「なんで?」
「なんで……って」


私はユキさんみたいにモテモテじゃないので。


「俺もうモモにキスしちゃダメなの?」
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