はやく俺のモノになればいいのに
「拒んでよ、モモ」


ぽつりとつぶやいたユキさんが泣いているように見えた。


実際には涙を流していないけれど、苦しそうで、どうにか助けてあげたくなる。


「これ以上傷つけたくない」


けれど、ユキさんは私と距離を置きたがっている。


「我慢できなくなる前に」


ドクン


「もう、モモのこと、ただの後輩なんて思えない。可愛がりたいし、甘えて欲しい。キスもしたいし――先に進みたくもなる」
< 232 / 553 >

この作品をシェア

pagetop