はやく俺のモノになればいいのに

その言葉を、ただ信じたかった。


今は――今だけは、ユキさんは私を見てくれている。


「こんなの初めてなんだ」
「……初めて？」
「それこそ付き合いの長い朝霧ならよく知ってると思うけど。俺、基本的に女の子に反応薄いし。わざわざ関わらないし。モモみたいに可愛がってあげたくなる子って他にいなくて」


ユキさんと仲のいい先輩の反応を見ていれば、その話は嘘ではないと思える。


「おかしいと思う。最近の俺のこと、自分でも」


ユキさんも、ユキさんの気持ちが、わかっていないの……？