はやく俺のモノになればいいのに


みんながユキさんに圧倒されている。


「桜井先輩も大活躍してるね?」
「クズは視界から消してるから」


手厳しいです実柑さん。


比嘉先輩のジャンプ力も、朝霧先輩のブロックも、レベルが高い。


「なんであの人たち揃いも揃って帰宅部なの」

ちょっと呆れたようにいう実柑に

「それを言うなら実柑もね」

と、わたし。


「あたしは――」
「恋に生きようと思ったから部活しないんだよね」
「まあね。でも。相手がなぁ」


谷崎先生への想い、どうするつもりだろう。


「……実柑のこと。私は、応援したい」


相手がたとえ大人で、先生だとしても。


「上野サン好きなやついんの」


と、イチヤくん。


「好き……というか。頭にチラつくというか。てか。呼び捨てでいいよイチヤくん」
「俺のことも好きに呼んでくれ」
「じゃあイチヤで」


実柑とイチヤくんは、いい友達になりそうな予感がする。


そんなことを考えているうちに休憩が終わり、後半戦に突入した。
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