はやく俺のモノになればいいのに
「なあ。これどうした」
「……え」
イチヤくんが鋭い目で女の子に質問する。
「説明しろ」
「せっ、先輩たちのファンが使ってるアカウントが、あって。そこに。アップされたんだって」
「発信元はSNSか。投稿者は」
「わかんない」
「はあ?」
「……匿名だし。情報の共有がメインで、みんな内容にキョーミあるっていうか」
なんの話をしているの?
「ファンが使ってる……?」
実柑が顎に手をあててつぶやく。
「あ。そのアカウント、あたしフォローしてるかも」
実柑が、携帯を取り出してSNSを開く。
画面に視線をうつすと、そこには――……
「モモ。これ……って」
イチヤくんと私がプールサイドにいる写真が表示されていた。
「あの子じゃない?」
「えー……やば」
ちがう
「してる?」
「校内でヤるとか」
ちがう……!