はやく俺のモノになればいいのに


「イチヤくんは。私……を。助けてくれて」
「わかってる」


取り乱す私を、実柑が、真剣な表情で見つめてくる。


「なにかあったんでしょ。応援にくるの2人で遅れたのと関係してる?」
「……うん」
「なんかあったことくらい察しがつくから。モモが制服になってるのはいいとしても。イチヤは私物のジャージから学校指定のに衣装チェンジ。どう考えても不自然でしょ」
「……っ」


気づいてくれていたんだ。

それでも、私が話すの待ってくれて。

ユキさんの試合に向かって、一緒に応援してくれた。


「とりあえず、投稿は通報しておいた。運営に意見が届いて削除されるの待ってたら、いつになるかわからない。されるかも期待できない。となると、はやく投稿者割り出して消させないと」
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