はやく俺のモノになればいいのに


ふわり、と包み込まれた。


「……ユキ、さん?」


不意打ちのハグに心臓が大きく波打つ。


「ごめん。汗かいてるけど許して」
「い、いえ。全然。むしろ……」


うしろからギュ、なんて

ご褒美すぎる……というか。


「はは。モモのヘンタイ」
「っ」
「俺のこと見ててくれた?」
「み、見てました」


ガン見してました!


「どうだった?」
「カッコよかったです。まばたきするの。勿体ないくらい」
「知ってる」
「へ?」
「そんな顔してたから」


――――っ!!


「あ、あの。ユキさん」
「ん?」


こんなところで

こんなことされたら


めちゃくちゃ目立って仕方がないのですが。


マイペースすぎるにも程がありますよ!?


「御幸先輩!」


近くの女の子が話しかけてきた。

ユキさんは、返事しない。


「これ見てください」
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