はやく俺のモノになればいいのに
――……やめて
「先輩、騙されてます。その子。清楚ぶってるけどビッチです」
見ないで
「そこの赤い髪の男と」
聞かないで
「校内で、やらしいこと――」
「うるさい」
――――!
「今、モモと喋ってるのに。割り込んでこないでくれる」
イチヤくんが「そこかよ」と突っ込む。
「ですが……!」
うろたえる女の子に、
「それと。モモの悪口いったら。怒るよ」
「……っ」
今、ユキさんはどんな顔で
私を抱きしめながら
目の前の女の子と話しているのだろう。
特別怖い言葉も使っていなければ柔らかい口調なのに、相手の子は、ひどく怯えている。
「ちなみに。その写真だけど」
ドクン
「おおかた、俺の彼女を。そこのお節介なトマト頭が助けてるんだろうね」