はやく俺のモノになればいいのに
「んー。さすがに匿名アカウントだし。簡単には見つからないと思ったんだけど」
……けど?
「どうやら俺のファンは有能みたいだね」
そういうと、視線を、ある場所へと向ける。
そこで
「コイツ」
と女の子の背中をトンと押したのは、比嘉先輩だった。
「……なんで」
どうして、あなたが?
私いつかわかり合えるかもしれないと思っていたのに。
それを望んでいたのに。
どうして。
「あーっ!」
実柑が声をあげる。
「この子。第一試合でモモにボールをあてた子だ」
どうしてなの、泉谷さん。