鳴り響け、復活のソナタ
「えー!?白紙で出したの!!?」
「うん・・・。」
クルミちゃんは、学校は違うけど同い年という事もあって、
バイト仲間の中でも一番仲良しだった。
学校は違うけど、テストの日程も行事の日程も大体同じ。
だからこの時期の話題は当然“進路”についてで・・。
「クルミちゃんはやっぱり東京行っちゃうの・・?」
「うん!よ~~~やくお父さんの許可も下りたし、
向こうで一人暮らししながら頑張るよ。」
「そっか。じゃあ来年の今頃はもう離ればなれになっちゃうんだね。」
「あ!そうだ、キョウコ今度東京付き合ってよ♪」
「え・・・。」
「ほら、学校の下見したいし、せっかくだから竹下通りも行ってみたいじゃん。」
「東京か・・・。」
「ディズニーに行く事はあっても、なかなか東京に行くなんてことないからさ、
今のうちから向こうの文化に慣れておきたいんだよねぇ。
お願い!お父さんを原宿連れて行くわけにもいかないし、付き合ってよ~。」
「・・・うん。分かった、行こっ!」