鳴り響け、復活のソナタ
最終章
前編
最終章
霊視刑事 星野ヨシヒト
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「・・・そうですか。
どうもありがとうございます。」
また“空気”に向かって、被害者2人の写真を見せ終わった豊川さんが目配せをして歩き出す。
「今の死者さんは何て言ったんですか?」
「事件とは関係ありませんが、茶髪君と坊主君を見た事があったそうです。」
「・・・・・・。」
「『激しい言い争いをしていた。』
と証言してくれました。」
「え・・あの2人がですか?」
「いえ、あの死者の証言から推察すると、fi☆veのファン同士での諍いです。
茶髪君と坊主君が・・
あの天然の子は何番でしたっけ?」
「ヨンちゃんです。」
「ヨンさん推しのファン軍団と衝突したそうですが、どうもあの2人は“熱狂的”というより、
“過激”なファンと表現したほうがしっくりきそうです。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「どうしましたか?」
「僕も少し考えてた事があって・・。」
「伺いましょう。」
「もし被害者の2人がソマンの“実験台”で殺されたとして、
犯人はどうしてあの建設現場に2人が居たことを知っていたんでしょうか・・?」
「・・・・・・・・・・・。」
「“関係者以外立ち入り禁止”の看板を越えて、
現場の中に入っていかないとあの2人は発見できません。
“たまたま見かけたから”という理由では無いような気がします。」