鳴り響け、復活のソナタ


「・・・君は誰ですか?」


「ウハハ。敬語が良いなら敬語で話せ。
いつでもタメ口に変えればいい。」


「・・・・・・・・。」



「ゴリよ、俺と手を組め。」



「・・・・・は?」


「ずっと探してた。ようやく見つけた。

俺と同じ方向を見ている人間を。


グラウンドで、将来何の役にも立たない“青春”を謳歌しているバカ共とは違う・・

やれポケベルだ、やれテレビデオだと、目先の事しか見えてないバカ共とは違う・・


いち早く“パソコン”と“デジカメ”の重要性を見抜いたお前のような男をな。」


「さっきから・・
何を言ってる・・?」


「ウハハハ。お前となら天下を取れる。

俺の【参謀】が務まるのはお前しかいない。

その恵まれた体はスポーツに使え?
馬鹿言っちゃいけねぇ。

俺はそこら辺のバカ共とは違うぜぃ?」


「・・・・・・・・・・。」


「俺はお前のその頭脳とセンスを買うぜ?

ウハハハ!俺の名前はイッセイ。
今日は挨拶程度だ。

また会おうぜゴリ。」





不思議だった。

何故かこの時の俺は、
“変な奴”だとは思わなかった。


ここ数年で登場したワード、
“中二病”という言葉も、

この時のイッセイには当てはまらないと思った。


またズルズルと麺をすすりながら出て行った後、ソースの残り香に包まれたパソコン室。


俺は確かにこの時・・
【自分と似ている気がする】と悟った。


















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