婚約者は野獣



「「まるちぃ〜」」


お昼休みに今日もお弁当を持って保健室にやってきた可愛い二人は


「え?永遠?」

「アンタ此処でなにしてんの?」


そう言って保健室の入り口で立ち止まった


「いらっしゃい」


とりあえず永遠は無視して二人を招き入れると


「私が説明しましょう」


いつの間に来たのか
郡君と堂本君がニヤリと笑った


「お前ら何しに来た」


途端に不機嫌になる永遠に


可愛い二人は興味津々の顔を向けていて

丸椅子を出してきて二人の前に座った郡君は


「丸山千色先生は永遠の婚約者になりました」


似非紳士風にメガネを指で上げながら淡々と言い放った


「「えぇーーーーっっ」」


鳩豆顔まで可愛い


・・・じゃなくて


「嘘、まじ?」


今日は頭の天辺でお団子になった髪が可愛い内田さんと


「まるちぃ本当?」


今日も天使の輪が二本の可愛い堂本さんが同じ顔を向けてくる


「そうだ」


私の返事より先に答えた永遠は
隣に立つと肩を抱き寄せた


「「キャァァ」」


両手を頬に当てて
可愛く叫ぶ二人


なんて可愛いんだろう

妹にしたいと思ったのは内緒


「じゃあ、学校以外でも会える?」


堂本さんが首を傾けると


「琴ちゃんと同じマンションだぜ?」


永遠は呆れたように笑った


「え?そうなの?まるちぃ
全然知らなかった・・・じゃあ
今度遊びに行っても良い?」


キラキラした目を向けてくれるから


“いつでもどうぞ”と言おうとしたのに


「兄貴に断ってからにしろよっ」


堂本君がそれを遮った


「あ〜、理樹さん・・・ね」


それに相槌を打った内田さんに


「まぁ、まず無理でしょう」


郡君の順に微妙な表情を見せた








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