白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集
俺の前でこれ以上泣かないように
唇をギュッとかみしめながら
必死に涙をこらえている小百合。
4年前。
何も考えずに俺が放った言葉が
こんなにも
小百合を苦しめていたなんて。
俺が刺した傷跡を
ふさいであげたいけど、
陳腐な言葉しか出てこない。
「小百合のことは、もう
女にしか見えないから」
ダメだ。
そんな安っぽい言葉。
小百合の傷に貼る
絆創膏にもならねえ。
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