白雪姫に極甘な毒リンゴを 短編集

「そんなんじゃねえよ。

 小百合のことが好きすぎて
 どうしようもねえから」




 小百合はうつむきながら
 ぼそりと言った。


「そんなウソ……つかないでよ」


「ウソじゃねえし」


「なんで私なのよ。
 清香さんにフラれて
 慰めてくれるのが私しか
 いないからでしょ?」


「違うし」


「龍が今まで好きになった子のタイプと
 真逆だよ。私は。

 ニコニコ笑えないし
 龍に甘えたりもできないよ」


「それくらい、知ってる」


「じゃあ
 そんな冗談、言わないでよ!!」



「俺がこんだけ言ってるのに
 なんで信じられねえんだよ」


「信じられるわけないじゃん。

 だって私のこと……
 男にしか……
 見えないんでしょ?」

< 222 / 337 >

この作品をシェア

pagetop